ポータブル電源やモバイルバッテリーを選ぶとき、「Wh」「W」「mAh」という単位が出てきて混乱した経験はありませんか。この3つを正しく理解すると、製品選びでの失敗がぐっと減ります。ここでは、それぞれが何を表すのかを身近な例えで整理します。
3つの単位を一言でいうと
| 単位 | 読み方 | 表すもの | 水に例えると |
|---|---|---|---|
| Wh | ワットアワー | 蓄えられる電力の総量 | バケツの大きさ(水の量) |
| W | ワット | 一度に出せる電力の大きさ | 蛇口の太さ(流れる勢い) |
| mAh | ミリアンペアアワー | 電池の容量(電圧とセット) | 電圧が分からないと量も分からない |
この「バケツ(容量)」と「蛇口(出力)」のイメージを持っておくと、以降の話が理解しやすくなります。
Wh(ワットアワー)=ためられる電気の量
Whは、その機器がどれだけの電力をためられるかを表す単位です。数字が大きいほどたくさんの電気をためられ、長く使えます。
たとえば「500Wh」のポータブル電源なら、消費電力50Wの扇風機を理論上およそ10時間動かせる計算です(500Wh ÷ 50W = 10時間)。実際は変換ロスがあるため8割程度に見ておくと現実的です。
ポータブル電源を選ぶときは、まずこのWhで「どれくらい使えるか」を判断します。
W(ワット)=一度に出せる電気の勢い
Wは、一度にどれだけ大きな電力を出せるかを表します。これが「定格出力」と呼ばれる数字です。
いくらWh(容量)が大きくても、W(出力)が小さいと消費電力の大きい家電は動きません。たとえば1,200Wのドライヤーを使いたいのに、出力が300Wのポータブル電源では起動すらしないのです。
動かしたい家電の消費電力(これもW表記)を調べ、それを上回る出力のモデルを選ぶ必要があります。
mAh(ミリアンペアアワー)=電池の容量、ただし電圧とセット
mAhはモバイルバッテリーでよく使われる単位で、電池がためられる電気量を表します。ただし注意したいのは、mAhだけでは本当の容量は分からないということ。
mAhは電圧(V)とセットで初めてWhに換算できます。計算式は次の通りです。
Wh = mAh ÷ 1000 × 電圧(V)
たとえば「10,000mAh」のモバイルバッテリーは、電圧3.7Vなら約37Wh(10000 ÷ 1000 × 3.7)です。製品によって内部電圧が異なるため、異なる製品同士をmAhだけで比べると誤解が生じます。比較するならWhに換算するのが正確です。
実例:スマホは何回充電できる?
具体的に計算してみましょう。10,000mAh(約37Wh)のモバイルバッテリーで、バッテリー容量3,000mAh(約11Wh)のスマホを充電する場合:
- 単純計算:37Wh ÷ 11Wh ≒ 3.4回
- 変換ロス(約2割)を考慮:実際はおよそ2〜2.5回
メーカーが「約2回充電可能」と書いているのは、このロスを見込んでいるためです。カタログの数字が実際よりやや少なめなのは、こうした理由があります。
まとめ:選ぶときの優先順位
- W(出力):動かしたい家電が動くかどうか。まずここを満たす。
- Wh(容量):どれくらいの時間・回数使えるか。用途に合わせて。
- mAh:モバイルバッテリー同士の比較時は、Whに換算して見る。
この考え方を踏まえた製品選びは、ポータブル電源ランキングTOP5やモバイルバッテリーランキングTOP5で具体的に確認できます。
よくある質問
Q.mAhが大きいモバイルバッテリーほど良い?
A.一概には言えません。mAhが大きいほど容量は増えますが、その分本体が重く大きくなり、飛行機への持ち込み制限(160Wh超は原則不可)にもかかります。スマホ2回分なら10,000mAh前後で十分なことが多く、用途に合ったサイズを選ぶのが賢明です。
Q.出力(W)が大きいほど充電は速い?
A.充電速度に関しては、出力W(特にUSB PDなどの急速充電規格への対応)が関係します。同じ容量でも対応規格が新しいほど短時間で充電できます。ただし、機器側(スマホなど)も急速充電に対応している必要があります。
Q.消費電力が分からない家電はどう調べる?
A.家電の本体や説明書に「定格消費電力」としてW表記が記載されています。見当たらない場合は「○○(製品名) 消費電力」で検索すると目安が分かります。発熱を伴う家電(ドライヤー・電子レンジ・電気ケトルなど)は特に消費電力が大きいので要注意です。