BASEからShopifyへの移行を考えたら、まず直近の決済額と注文数を用意しましょう。同じ売上でも、1件ごとの固定手数料、使う決済方法、必要なアプリで費用が変わります。商品を移せても、注文履歴や古いURLがそのまま引き継がれるとは限りません。
この記事は2026年10月8日に確認した公式資料を整理したものです。実際のショップを移行した体験談ではありません。料金・適用条件は申込み時に再確認してください。売上、利益、検索順位の改善を保証するものでもありません。
1. BASEの料金を分けて確認する
BASEの公式料金ページでは、スタンダードプランの固定料金は0円です。通常のWebショップ注文には、決済手数料3.6%+40円とサービス利用料3%がかかります。グロースプランは月払い19,980円、12か月一括払い198,960円(税込)で、後者の月換算は16,580円。通常の決済手数料は2.9%、サービス利用料は0円です。
ただし、これをすべての注文に当てはめることはできません。PayPay・Amazon Pay・PayPalでは決済手数料に1ポイント加算されます。PAY IDアプリからの注文は、両プランとも通常のWeb注文とは別に、3.6%+40円とサービス利用料5.9%の条件を確認します。料率の対象には送料を含む注文合計が入ります。BASEの表示条件も併せて見てください。
2. Shopify Basicの料金を分けて確認する
Shopifyの日本向け料金ページで、オンラインストア向けBasicは年払いの月換算が3,650円、月払いは4,850円と案内されています。年払いの表示を毎月払いの金額として扱わず、支払総額と契約期間を確認します。標準オンラインカードとJCBの掲載料率は3.55%+0円、Amexと海外カードは3.9%+0円です。
Shopify Paymentsで処理される注文には、通常、追加の外部サービス取引手数料はかかりません。対象となる外部決済を使うと、BasicではShopifyの2%に加えて決済事業者側の手数料を確認する必要があります。一方、手動決済や、Shopify Paymentsをメインに設定した場合のPayPalなどには免除条件があります。すべての注文へ一律に2%を足さないでください。Shopifyの手数料説明とShopify Paymentsの要件を確認します。
BASEグロースの年払い総額には税込表示があります。一方、Shopify利用規約の第5条では適用される税は料金に含まれず、請求先などに応じて確認が必要です。税基準も決済構成も揃わないまま、掲載額から「必ず安い」「月にいくら節約」とは計算しません。
3. 自店の数字で総費用を組み立てる
直近3か月の記録から、次の項目を分けて集めます。
- 送料を含む決済額と注文数
- 通常Web注文とPAY IDアプリ注文の割合
- カードの種類、その他の決済方法の割合
- 月払いか年払いか、更新日と解約条件
- 必要なアプリ、独自ドメイン、移行作業の内容
BASEスタンダードには1注文あたりの固定額があるので、売上が同じでも注文数で費用が変わります。Shopifyもカード種類や外部決済の利用状況で変わります。PAY ID経由の集客が移行後も同じになるとは限りません。
契約期間に対応するプラン料金 + 決済方法ごとの手数料 + 入金・アプリ・ドメインなどの追加費用 + 移行時だけの費用。税は各サービスの請求条件に合わせて確認し、毎月の運営費と一度限りの移行費を分けます。
忘れやすい追加費用
- 入金:BASEの通常の振込申請は1回250円。申請額2万円未満では事務手数料500円もかかります。お急ぎ・最速振込は別条件です。BASEの振込手数料
- アプリ:配送日時、帳票、レビュー、定期購入、移行ツールなど、実際に使う機能だけを洗い出します。無料インストールでも利用量による課金や別の請求周期があり得ます。
- ドメイン:取得・更新の費用と、接続設定の作業を分けます。接続とドメイン管理会社の移管は別の作業です。
- 制作と重複期間:商品整理、表示確認、設定、問い合わせ対応に使う時間、旧店を残す期間の費用を含めます。
4. 商品・顧客・注文履歴は別々に確認する
BASEのCSV商品管理 Appでは商品データを出力できます。しかし、CSVがあるだけで画像まで一式そろったとは限りません。Shopifyの商品CSVは列を合わせる必要があり、画像URLには公開アクセスできるものを指定します。最初は少数の商品で、商品名、SKU、価格、税、在庫、公開状態、画像順を確認してください。Shopifyの商品CSV仕様
商品CSV・画像・在庫の手順は第2回「BASEからShopifyへ商品を移す前に確認したい CSV・画像・在庫の準備」で詳しく整理しました。
BASEの注文は注文データダウンロード AppでCSV出力できます。一方、Shopifyの顧客CSVからは注文情報や他サービスの顧客パスワードを移せません。購入者のメールアドレスと宣伝メールの受信同意も別です。顧客、同意記録、過去注文を何のために残すか先に決めましょう。Shopifyの顧客CSV仕様
5. 古いURLの行き先を決める
独自ドメインを続けて使っても、商品ページのパスが変われば旧URLとの対応が必要です。主要商品、カテゴリ、記事、外部からリンクされているページを一覧にし、対応する新ページを決めます。
自分で管理する独自ドメインと、サービス側が提供するサブドメインは区別してください。Shopify側でリダイレクトを作っても、Shopifyが管理していない旧ホストまで自動で転送できるわけではありません。旧URL側で何を制御できるかを確認します。対応する内容がないページを無関係なトップへ送ることも避けます。検索順位は移行後に変動し得ます。Googleのサイト移行ガイド
移行を決める前のチェック
- 直近3か月の決済額、注文数、決済方法、PAY ID経由の割合を確認した
- Shopify側で必要な機能とアプリ費用を挙げた
- 商品、画像、顧客、同意記録、注文履歴で移すものと残すものを決めた
- 独自ドメインと旧URLへの対応を確認した
- 少数の商品で表示、在庫、配送、税、決済を確認する手順を用意した
- 新旧店の併用期間と、問題が起きたときの戻し方を考えた
いまのBASEで必要な運用ができ、固定費や移行作業を増やしたくないなら、継続も選択肢です。Shopifyで実現したい運用が明確になったら、追加費用と小さな移行テストを確認して判断しましょう。
STORESを利用中の店は、第3回「STORESとShopifyの選び方 小さな店が料金と運用で比べるポイント」で料金と店頭運用の条件も確認できます。
参照した公式資料
- BASE|料金プラン・手数料
- Shopify|日本向け料金
- Shopify|利用規約 第5条
- Shopifyヘルプ|手数料と費用
- Shopifyヘルプ|商品CSV
- Shopifyヘルプ|顧客CSV
- Google Search Central|サイトの移行
このページのリンクは通常の出典リンクです。小さな店のEC乗りかえノートはBASE・STORES・Shopifyの公式サイトではなく、Shopifyの公式パートナーを名乗るものではありません。