店頭販売とネットショップを少人数で回し、いま必要な機能をまとめたいなら、STORESは検討しやすい選択です。海外向けの販売方法や業務の仕組みを細かく組み立てたいなら、Shopifyが候補になります。ただし、現在のSTORESで困りごとを解消できるなら、使い続ける判断も十分に合理的です。

この記事では、日本の小規模店舗を想定し、料金、店舗連携、海外販売、拡張、移行作業を比べます。公式資料に基づく調査であり、実際の店舗を移行した体験談ではありません。現在、記事内にアフィリエイトリンクはなく、各社の通常の公式リンクを掲載しています。

1 最初に決めるのは減らしたい作業

比較前に「店頭とネットの在庫を二重入力している」「海外からの問い合わせに対応できない」など、困っている作業を三つ書き出してください。それぞれに、毎月の作業時間と、必要な改善を添えます。

STORESの現在の機能やプラン変更で解決することもあります。公式機能一覧には、定期販売、予約販売、レビュー、送り状CSV出力、外部システム連携が載っています。利用条件は機能ごとに異なるため、「STORESにはない」と決める前に確認しましょう。 出典:STORES ネットショップの機能一覧

Shopifyを選ぶ理由は「有名だから」より、「必要な機能を実現でき、設定と保守を担当できるから」と説明できる状態が理想です。新しい仕組みの管理に使う時間も、費用と一緒に比べます。

2 月額料金は契約期間と税区分を分けて読む

STORESは2026年3月にプラン体系を刷新しました。以前のベーシックプランの比較記事を、そのまま新規契約に当てはめないようにしてください。既存契約は、自店の請求内容と移行案内を確認します。 出典:STORESのプラン改定のお知らせ

STORESの通常料金(税込):フリー月額0円。スタンダード年契約・年一括払い39,600円/年。年契約・月払い3,300円/月。月契約・月払い3,960円/月。 出典:STORESの料金と契約期間

「毎月払うこと」と「1か月単位の契約」は別です。スタンダードは店舗ごとの契約で、契約期間途中の解約による返金はありません。年契約を選ぶ前に、利用する店舗数と継続期間を決めましょう。 出典:STORESの契約期間、STORESの料金案内

Shopifyの通常料金(日本向け表示、適用税別):Basic月払い4,850円/月、年払い月額換算3,650円。Grow月払い13,500円/月、年払い月額換算10,100円。Advanced月払い58,500円/月、年払い月額換算44,000円。 出典:Shopify日本向け料金

年払いは年額の前払いです。Basicなら3,650円×12か月=43,800円が、税や追加料金を含める前の年額になります。Shopifyの規約では適用税を料金に含めないため、STORESの税込表示と単純に引き算せず、契約画面の請求総額を確認してください。期間限定の割引はこの比較に含めていません。 出典:Shopify日本向け料金、Shopifyの無料体験とプラン選択、Shopify利用規約

3 決済手数料と追加費用は別に確認する

STORESのネットショップ決済は、フリー5.5%〜、スタンダード3.6%〜。PayPalやPayPay残高などは、それぞれ6.5%・4.6%です。決済方法の利用可否も確認してください。STORESの対面決済で案内される「1.98%〜」を、ネットショップの料率に使うことはできません。 出典:STORES ネットショップの決済手数料

Shopify BasicのShopify Paymentsでは、オンラインの標準カード料率とJCBが3.55%、Amexと海外カードが3.9%と表示されています。すべての注文を3.55%で計算すると、見積もりがずれる場合があります。 出典:Shopify日本向け料金

外部決済サービスを使う場合は、決済会社の料金に加えて、Basicでは原則2%の外部サービス取引手数料を確認します。ただし、Shopify Paymentsをメインにした場合のPayPalなど例外があります。「Shopify Paymentsを有効にすれば、ほかの決済もすべて追加手数料ゼロ」とは限りません。 出典:Shopifyの外部サービス取引手数料

見積もりには、月額、決済方法別の手数料、アプリ、ドメイン、POS、振込関連費用を分けて書きます。Shopifyアプリには月額・従量・一回払いがあり、外部から直接請求されるものもあります。低い料率だけを抜き出した「必ず安くなる」という比較は避けましょう。 出典:Shopifyアプリの請求

4 実店舗があるなら在庫連携と会計手順を比べる

STORES レジとSTORES ネットショップの在庫共有には、スタンダードプランが必要です。商品・店舗ごとに共有を設定でき、注文が入ると共通の在庫から差し引かれる仕様です。すでにSTORESを使っている店では、この連携で二重管理が解決するかを先に確認できます。 出典:STORES レジの機能一覧

ShopifyにもPOSがありますが、日本ではShopify Paymentsで対面決済を処理できず、外部サービスのカードリーダーが必要です。海外向けの紹介動画と同じ機器構成で動くとは限りません。 出典:日本でのShopify Paymentsの決済方法

POS Proの公式表示は、1ロケーション当たり月額換算13,000円の追加料金(年払い・適用税別)です。機器代や決済会社の料金も含めて見積もり、返品、締め作業、スタッフの操作まで試すことをおすすめします。 出典:Shopify POSの料金

5 海外販売と拡張は誰が運用するかで選ぶ

STORESは2026年7月、WorldShopping BIZとの海外販売連携を開始しました。海外配送や多言語対応などを代行へ任せる仕組みで、連携の初期・月額費用は無料と案内されています。ただし、海外購入者には商品代金と国内送料の10%の購入代行手数料がかかります。「海外対応だから乗り換える」と決める前に、代行方式が自店に合うか確認できます。 出典:STORESの海外販売連携

Shopify Marketsでは、現地通貨や市場ごとの価格、販売商品などを設定できます。その分、設定と維持管理を行う人が必要です。通貨換算などの追加費用も確認し、販売したい国を一つ決めて、配送と返品まで準備しましょう。 出典:Shopifyの海外販売、Shopifyの国際販売の手数料

拡張も同様です。Shopifyのアプリやテーマを使う場合は、必要な機能、日本語対応、料金、解約方法を個別に確認します。STORESにも外部連携があるため、使いたい会計・在庫・出荷サービスを具体名で並べ、連携できるデータと担当者を比較してください。

6 移行費用と移行しない条件

乗り換えでは、商品登録以外に画像、顧客、過去の注文、配送、決済、ドメインの準備が必要です。Shopifyの公式ガイドでも、商品・顧客・注文は移行方法が異なり、取り込み後の確認とテスト注文を別工程にしています。「CSVがあるから全部移る」とは考えないほうが安全です。 出典:Shopifyへの移行ガイド

まず少数の商品で、画像、サイズ・色、在庫、送料を確認します。作業時間、外注費、二重契約の期間も予算に入れ、旧URLの扱いと問い合わせ対応を決めてから切り替えましょう。

いまのSTORESで必要な機能がそろい、注文処理に大きな支障がないなら、継続は有力な選択です。繁忙期で検証時間が取れない、追加アプリの費用が未確定、移したいデータの範囲が決まらない場合も、先に準備を進めるほうがよいでしょう。移行による売上増加を前提に予算を組まないことが大切です。

契約前の比較チェックリスト

  • 解消したい作業を、具体的に三つ説明できるか
  • 税区分、契約期間、決済方法をそろえて見積もったか
  • 店舗の会計と在庫連携を、実際の手順で確認したか
  • 海外販売やアプリの設定・保守を誰が担当するか
  • 商品・顧客・注文・旧URLの扱いが決まっているか
  • 現状維持やSTORES内のプラン変更でも解決しないか

最初の一歩は、今月の請求書と一週間の作業記録を並べることです。そこで見つかった困りごとを、現在の仕組みで直せるか、乗り換えで解消できるかを確かめると、自店に必要な選択が見えてきます。

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